2024/06/28
コラム
今ではほとんどの建物で当たり前のようにおこなわれている外壁塗装ですが、その歴史はいつから始まったのでしょうか?
外壁塗装の歴史をさかのぼってみると、時代との深い関わりが見えてきました。
日本で外壁塗装が始まったのは、明治維新の後です。
明治維新後、日本にはさまざまな西洋の文化が入ってきました。これが建築手法に大きく影響したとされています。
それまでの日本は、板・草・土などでつくられていました。そのため「壁に塗る」という発想さえ無かったようです。(外壁が白いお城もありますが、白土を壁に塗っているため、塗装には分類されません)
日本には次第に西洋建築が増えていきました。そして、日米和親条約が締結された建物に、初めて外壁塗装を施しました。
西洋文化が浸透してきた日本では、塗装会社も設立されました。
それに伴い国産塗料の開発もすすめられたのですが、当時使っていたのは天然樹脂で乾燥に時間がかかったのが難点でした。
そこで、合成樹脂、フタル酸樹脂塗料、エポキシ樹脂、ビニール樹脂塗料など、時代とともにさまざまな塗料が開発されます。そして令和の現在では耐熱性や遮熱性など機能性に富んだ塗料も開発され、住宅の長寿命化に役立っています。
ちなみに、日本で最古の塗料は漆(うるし)といわれています。
縄文時代から漆を土器に塗ったり、その後は櫛や籠などあらゆるものを塗ったりしていたようです。
一方、日本で最古の顔料は鉛丹です。鉛を酸化させてつくられ、美しいオレンジ色が特徴です。最近までサビ止めとしても使われていました。その後、辰砂(しんしゃ)をはじめ、藍(あい)、楯子(くちなし)、紅藍(べにあい)・黄草(きぐさ)などの顔料も誕生していきます。
ここまで、日本における外壁塗装や塗料の歴史について紹介しました。
では世界に目を向けるとどうでしょうか?
人類が初めて塗料を使ったのは、アルタミラ洞窟の壁画(スペイン)とされています。動物の血、植物の樹液、すす、色土などを混ぜ合わせてつくられました。
その後、四大文明の時代になると、天然アスファルトが使われるようになります。これは原油を主成分にしていたものです。塗料としてはもちろん、水をはじくため防水剤として、接着剤として、ミイラ用の防腐剤としてなど、さまざまな用途で活用されていました。
時代が進むと、鉱物(ラピスラズリやトルコ石など)が主原料の顔料が開発されます。特に青は神聖な色とされていて、壁画や絵画に重宝されていました。
時代に合わせて、塗装技術や塗料も進化を続けます。
100年後、1000年後はどのような塗装が施されるのか楽しみです。
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