2023/11/28
コラム
塗装工事では「シーラー」と呼ばれるものがあります。
普段馴染みのないシーラーとは何なのかご紹介します。
シーラーとは塗料の一種で、塗装の際に最初に下地処理用に塗られる「下塗り用塗料」です。
語源であるsealには「接着する」や「ふさぐ」といった意味があります。
外壁塗装や屋根塗装では、一般的には「下塗り・中塗り・上塗り」と3度塗りによる重ね塗りが行われます。最初に実施する下塗りで使用するのがシーラーです。
下塗り工程において、シーラーはとても重要な役割を持っています。
下塗り工程は塗装の土台部分であり、下塗り工程の出来によって塗装の仕上がりは大きく変わってきます。
重要な下塗り工程においてシーラーの持つ役割には次のようなものがあります。
・塗装面と上塗り塗料との密着性を高める
・下地への上塗り塗料の染み込み防止
・下地の補強
塗装では塗装面と塗料には隙間がないことが重要です。中塗り塗料や上塗り塗料には密着性がないため、下塗り段階で密着性の高いシーラーを用います。
塗装面と塗料の間に隙間があると、そこから熱や水が入り込み塗膜を傷める原因になります。塗膜が破れてしまうと塗料が持つ耐熱性や耐水性が失われてしまうので、シーラーによって密着性を高める下塗り工程はとても重要です。
シーラーは粘り気がなくサラサラしているという特徴があります。シーラーを用いずに中塗りや上塗りを行うと、中塗り塗料や上塗り塗料が下地に染み込み、塗膜の厚さが本来よりも薄くなってしまいます。その状態では十分な耐熱性や耐水性を発揮することが出来ず、また、塗料のムラも出てしまいます。
シーラーを用いることで、中塗り塗料や上塗り塗料が下地に染み込むことを防ぐことが出来ます。
シーラーによって、小さなひび割れなどを埋めるといった下地の補強の効果があります。
小さなひび割れなどそのままにしておくと、塗装の仕上がりに影響を及ぼす可能性があるので、下塗り工程でなひび割れを埋めてから次の工程に進むことが重要です。
シーラーには水性シーラーと溶剤シーラーの2種類あり、シーラーと上塗り塗料には相性があるので、上塗り塗料の性質に合わせてシーラーを選びます。
水性シーラーはあまり劣化していない下地の場合に使用します。ヤニやシミの防止に効果が高いタイプ、浸透性や密着性、経済性が良いタイプがあります。
ニオイが水性シーラーより強めですが、劣化具合が進んだ下地に合うシーラーです。
下塗り工程は土台となる重要な工程ですので、この工程によって塗装の仕上がりは左右されます。
シーラーの役割についての理解の一助となりますと幸いです。
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