2023/12/18
コラム
屋根塗装などで、見積書に「タスペーサー」と記載されていることがあります。
しかし専門用語だとイメージが湧かないこともあるでしょう。
タスペーサーについての基礎知識や、メリット・デメリットなどを詳しく解説するのでぜひ参考にしてください。
タスペーサーとは、縁切り作業に使用する道具のことを指します。
スレート屋根を塗装するときに、塗料が屋根材同士をくっつけてしまうことがあるので、それを防ぐために開発されました。
見積書では「タスペーサー」「タスペーサー取付け」「縁切り:タスペーサー」などの名称で記載されているかもしれません。
タスペーサーは株式会社セイムが販売していて、「タスペーサー01」「タスペーサー02」の2種類があります(※「タスペーサー03」は廃盤)。
それぞれの特徴は以下の通りです。
・タスペーサー01:Z型の構造が特徴で、最大80kgの負荷にも耐えるとされています
・タスペーサー02:劣化の少ないスレート屋根によく使われています。比較的フラットな形状で、手で簡単に差し込めます
タスペーサーは、従来の縁切り作業の時間を大幅に短縮しました。縁切り作業は職人2人がかりでも1日かかるほどの労力でしたが、タスペーサーを導入すると数時間で作業を終えられるのです。労力が減った分コストもダウンするので、業者だけではなくお客さまにも喜ばれています。
また効果にも定評があります。職人が手作業でおこなっていた従来の縁切り作業は、皮ヌキやカッターを使ってすき間を作っていました。しかしすき間を完全に作るのは難しく、期待したほどの効果が発揮されないこともありました。
それに対してタスペーサーは、道具ですき間を物理的に確保します。雨水が侵入しにくく、冬でも結露しにくいため、現在はタスペーサーで縁切りするケースが多くなっています。
縁切り作業に重宝されているタスペーサーですが、屋根によっては使用できません。
基本的にタスペーサーが使えるのはスレート屋根だけ、しかも状態が比較的良好な場合のみです。
しかし以下の場合は、スレート屋根であってもタスペーサーが使用できません。
・屋根材の劣化が著しい
・築年数がかなり経っている
・野地板まで劣化している
・屋根材同士に4mm以上のすき間がある
また業者から見積もりを受け取ったとき、以下に該当するようなら一度担当者に確認してみましょう。
・スレート屋根ではないのに見積書に「タスペーサー」と記載されている
・築年数がかなり経過しているのに「タスペーサー」と記載されている
・屋根材がかなり劣化しているのに「タスペーサー」と記載されている
職人による縁切り作業は、労力も費用もかかるのに、効果が不十分なことがありました。それに対してタスペーサーは、物理的にしっかりすき間を作ってくれます。一般的なスレート屋根ならタスペーサーを使いながら塗装できるので、業者は労力削減、お客さまはコスト削減に期待できるでしょう。
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