2025/11/19
コラム
塗装だけで安心？屋根下地の劣化が招く見えないリスク
屋根塗装を行う際、多くの人が「表面がきれいになればOK」と思いがちです。しかし実際には、屋根の塗装以上に大切なのが“下地”の状態。見えない部分に劣化が進んでいると、いくら上から高性能な塗料を塗っても、その効果は半減してしまいます。塗装だけでは補えない「屋根下地のリスク」について知ることは、建物を長持ちさせるための第一歩。今回は、その見えないリスクと対策について解説します。
- そもそも「屋根下地」とは何か？
- 下地の劣化が引き起こす“見えないリスク”
- 信頼できる業者は“下地診断”をしている
- 下地補修と塗装を“セット”で考える
そもそも「屋根下地」とは何か？
屋根の“基盤”を支える重要な部分
屋根下地とは、屋根材の下にある野地板（のじいた）や防水シートなどの層を指します。屋根の構造を安定させる“縁の下の力持ち”的存在です。
表面の塗装では補えない部分
塗装は表面の保護にすぎません。下地が劣化していると、たとえ上から塗っても雨漏りや内部腐食のリスクは減りません。
経年劣化で見えないところから痛む
築15年以上の住宅では、下地の劣化が進んでいるケースが多く、目視だけでは判断できない点も注意が必要です。
下地の劣化が引き起こす“見えないリスク”
雨漏りの原因になる
防水シートの破れや野地板の腐食により、雨水が屋内に浸入。クロスの剥がれやカビ、構造部の腐食につながります。
塗膜の早期剥離
下地がしっかりしていないと、せっかく塗装してもすぐに塗膜が浮いたり剥がれたりすることがあります。
修繕費が跳ね上がる
下地の劣化を放置すると、結果的に屋根の葺き替えや大規模な補修が必要となり、費用が大きく膨らみます。
耐震性・断熱性の低下
屋根全体の構造が弱ることで、家の耐震性や断熱性能にも悪影響を及ぼす可能性があります。
信頼できる業者は“下地診断”をしている
高所カメラやドローンでの調査
現地調査の際に、屋根全体や棟板金の状態をカメラで確認するなど、下地の状態を把握する技術が整っているかがポイントです。
点検口からの内部確認
小屋裏や屋根裏に点検口がある場合は、そこから内部の湿気や腐食の有無を確認することができます。
写真付きの調査報告書をくれる業者を選ぶ
見えない部分の説明も、写真や図を用いてわかりやすく報告してくれる業者は、信頼性が高いといえます。
「塗るだけでは不十分」と説明してくれるか
「とりあえず塗れば大丈夫です」と言い切る業者には注意。必要に応じて補修や葺き替えも提案してくれる姿勢が重要です。
下地補修と塗装を“セット”で考える
劣化状況に応じて適切な工法を選ぶ
防水シートだけの張り替えで済む場合もあれば、野地板の交換が必要なこともあります。調査結果をもとに判断を。
葺き替え・重ね葺きの検討も視野に
下地の劣化が著しい場合は、塗装ではなく「屋根の葺き替え」や「カバー工法（重ね葺き）」の方が合理的なケースもあります。
トータルでのコストパフォーマンスを重視
初期費用は塗装より高くなる場合もありますが、10年以上先のメンテナンス費用を抑えられる可能性があります。