2025/11/26
コラム
防水塗装のメンテナンス周期は何年ごと？見極めポイントとは
屋上やベランダなど、雨水の影響を受けやすい場所に施される「防水塗装」。この防水層が劣化すると、雨漏りや建物内部の腐食につながり、放置すれば大きな修繕費用が発生する恐れもあります。しかし、防水塗装の効果が切れるタイミングは目に見えにくく、「まだ大丈夫」と油断していると手遅れに。本記事では、防水塗装の種類ごとのメンテナンス周期と、劣化を見極めるチェックポイントについて解説します。
- 防水塗装とは？目的と種類をおさらい
- 防水塗装の寿命とメンテナンス周期
- メンテナンス時期の見極めポイント
- 防水性能を長持ちさせるために
防水塗装とは？目的と種類をおさらい
防水塗装の役割とは
建物の屋上・ベランダ・バルコニーなどからの雨水浸入を防ぐために施す、耐水性の高い塗装です。躯体を守る「最後の砦」ともいえる存在です。
防水塗装の主な種類
・ウレタン防水：最も一般的。柔軟性があり補修しやすい。
・シート防水（塩ビ・ゴム）：耐久性が高いが、施工に専門技術が必要。
・FRP防水：硬くて丈夫。ベランダに多く使用される。
・アスファルト防水：屋上など大型建築に多い、重厚な防水方法。
塗装仕上げとの違い
外壁の「見た目」を整える通常の塗装と異なり、防水塗装は機能性重視。水の侵入を物理的に遮断することが目的です。
防水塗装の寿命とメンテナンス周期
ウレタン防水：おおよそ10年
施工がしやすくコストも抑えられますが、紫外線に弱く劣化が早いため、約10年を目安に点検・補修が必要です。
シート防水：12～15年
劣化しにくく、長寿命。ただし接着面の浮きや剥がれが発生すると雨水が入りやすくなるため、定期点検が重要。
FRP防水：10～12年
非常に硬く耐摩耗性に優れますが、ひび割れしやすいため、小さなクラックでも早期対応が求められます。
アスファルト防水：15～20年
耐久性に優れていますが、重量があるため建物構造の影響を受けやすい。経年による膨れ・剥がれに注意。
メンテナンス時期の見極めポイント
表面のひび割れ・亀裂
肉眼で確認できるヒビが入っていたら、すでに防水機能が低下しているサイン。早急に点検を。
水たまりができる（排水不良）
水が流れず溜まっている場合、勾配不良や膨れが疑われます。放置は雨漏りのリスクを高めます。
塗膜の剥がれや色あせ
紫外線や風雨により防水層の表面が劣化。特にトップコートの色あせは保護力が落ちている証拠です。
コケや藻の繁殖
水はけが悪い証拠。防水層が水分を含みやすくなっている可能性が高いため、注意が必要です。
防水性能を長持ちさせるために
トップコートの塗り替えで延命可能
本格的な防水工事をしなくても、表面保護のトップコートを5年程度で塗り直すことで耐用年数を延ばせます。
定期点検のタイミングを決めておく
理想は5年に1回の点検。劣化初期に対応することで大規模修繕を防げます。
ベランダの植木鉢・家具にも注意
重いものや水分を含んだ鉢を直接置くと、防水層が傷みやすくなります。スノコなどで対策を。
見積もり時に「防水層の種類」を必ず確認
業者に依頼する際は、どの工法か・何層構造かなどの仕様を必ず書面で確認し、メンテナンス時期の相談もしておきましょう。