2025/12/19
コラム
再塗装より葺き替え？判断の分かれ道とは
屋根のメンテナンスを検討する際、「再塗装で済ませるか？」「いっそ葺き替えを選ぶべきか？」と迷う方は少なくありません。**どちらにもメリット・デメリットがあり、判断には慎重な見極めが必要です。劣化状況・築年数・屋根材の種類など、さまざまな要素をふまえて最適な選択をすることが、将来のトラブル防止にもつながります。本記事では、塗装と葺き替え、それぞれの特徴と判断基準について、具体例を交えながらわかりやすく解説します。
- 再塗装と葺き替えの違いとは？
- 再塗装で対応できるケースとは？
- 葺き替えを検討すべきサインとは？
- 判断に迷ったときのチェックポイント
再塗装と葺き替えの違いとは？
再塗装の目的と範囲
再塗装は、既存の屋根材の表面に塗膜を形成して防水性・美観を回復するメンテナンスです。比較的低コストで対応でき、工期も短いのが特徴。
葺き替えとは屋根材の全面交換
葺き替えは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する工事。構造下地の補修を同時に行うことができ、屋根そのものの寿命が延びます。
どちらが優れているという話ではない
再塗装と葺き替えは役割と目的が異なるため、「一概にどちらが正解」というわけではありません。状態に合った判断が必要です。
再塗装で対応できるケースとは？
屋根材自体が健全な状態
屋根材にひび割れ・浮き・欠損がない場合は、再塗装で十分な防水性と耐候性を維持できます。
塗膜の劣化（チョーキングなど）だけが目立つ
紫外線による色あせ・白化現象（チョーキング）が見られる場合は、塗装のみで機能を回復できます。
築10〜20年以内で、定期メンテナンス歴がある家
過去に適切な塗装メンテナンスがされていれば、再塗装で十分長持ちさせることが可能です。
予算を抑えたい場合
再塗装は葺き替えの1/3〜1/2程度の費用で済むため、限られた予算内でのメンテナンスとして有効です。
葺き替えを検討すべきサインとは？
屋根材の破損・剥がれ・腐食が見られる
屋根材のひび割れ、破損、金属のサビや腐食が進行している場合は、塗装では効果が薄く、葺き替えが必要です。
雨漏りが発生している
雨漏りが発生しているときは、屋根の下地や防水シートの劣化が原因の可能性が高く、塗装だけでは対応できません。
築25年以上でノーメンテナンスの場合
長年メンテナンスをしていない屋根は、構造材にまでダメージが及んでいる可能性があり、抜本的な改修（葺き替え）が望ましいです。
重い屋根材（瓦）を軽量化したい場合
耐震性の観点から、瓦屋根をガルバリウム鋼板などに変更したい場合も葺き替えが適しています。
判断に迷ったときのチェックポイント
プロの診断を受ける
塗装会社・屋根専門業者に現地調査を依頼し、写真や図解を使って状態を説明してもらうことで、納得感ある判断ができます。
将来のメンテナンス費もふまえて考える
短期的な費用だけでなく、今後の塗装サイクルや再発リスクをふまえて総合的にコスパを考えましょう。
火災保険や補助金が使えるケースもある
屋根の破損が自然災害によるものであれば、保険適用や自治体の補助金制度が活用できることもあります。
外観のリニューアル目的もあるなら葺き替え
屋根の色や形状を一新したい場合は、葺き替えの方が自由度が高く、理想のデザインに近づけやすいです。