2025/12/24
コラム
防水塗装というと「塗料を塗ること」が主な作業と考えられがちですが、実は塗る前の“下地処理”こそが防水性能のカギを握っていることをご存じでしょうか。表面だけ整えても、内部にひび割れや劣化が残っていれば、塗膜はすぐに剥がれ、雨水の侵入を許してしまいます。この記事では、防水塗装を長持ちさせるために不可欠な下地処理の工程やその重要性について、実際の現場目線でわかりやすく解説します。
下地処理とは、塗装をする前に行う表面の清掃・補修・乾燥などの工程のこと。塗料をしっかり密着させ、防水機能を最大限に引き出すために行います。
塗料は万能ではありません。劣化した下地にそのまま塗っても、数年で剥がれたり膨れたりするリスクが高まります。適切な下地処理がされていないと、防水効果は半減します。
下地処理は見えない部分だけに手抜きされやすく、工事後のトラブルの多くがこの段階に起因しています。信頼できる業者の見極めにも関わる重要なポイントです。
まずは高圧洗浄機を使って表面の汚れ・コケ・カビ・古い塗膜などを徹底的に除去します。これを怠ると、塗料がしっかり付着せず、防水性が低下します。
外壁や屋根の微細なひび割れにはシーリング材やフィラーを使って補修します。ひびを埋めずに塗装しても、後に水が入り込み膨れや剥がれの原因になります。
金属部材や剥がれかけた塗膜部分にはサビ落としや研磨作業(ケレン)を施して表面を整えます。特に鉄部などでは、これを怠るとサビが再発します。
補修後の乾燥時間の確保や周囲の養生処理も、仕上がりを左右する大切な工程です。焦って塗り始めると、密着性や防水性に悪影響が出ます。
適切な下地処理を施せば、防水塗装は10年、15年としっかり機能を果たす可能性があります。塗膜の密着力が違うため、劣化のスピードがまったく変わります。
一方、下地処理が甘いと、早ければ3〜5年で塗膜が浮いたり、水が侵入するトラブルに発展します。見た目はキレイでも、内部で劣化が進行しているケースも。
「10年保証」などの表記も、実際には“きちんとした下地処理がされていること”が前提条件です。口約束だけでなく、工程写真などでチェックするのが安心です。
優良業者は、下地処理を含む全工程を明示し、施工前にしっかり説明してくれます。「塗るだけ」しか説明しない業者は要注意です。
最近では、各工程を撮影し、写真付きで報告するスタイルが増えています。実際に行われた処理の内容が確認でき、信頼性も高まります。
見積書の中で「下地処理」が別項目か、一式に含まれているかも確認ポイントです。後から追加費用が発生するリスクを避けるためにも明確にしておきましょう。
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